呪い殺された地味令嬢が最愛妃になるまで~お仕えしていた不遇王子が知らぬ間にヤンデレ皇帝となって、私を花嫁にご所望です⁉~
「ふむ。寒い環境でも咲けるように品種改良すればいいのだな。クロの精霊の力を使えば……できぬことはなさそうだが」
「俺さまは闇の精霊だぞ。そういう、明るく楽しげな魔法は超絶苦手分野だ」
ハーディーラは胸の前で腕を組み、渋い顔をしてみせる。
「そうなのか? いつもあんなに偉そうなのに、できないことがあるのか」
エリオット的には素直な感想だったのだろうが、ハーディーラはカチンときた様子だ。むっと唇をとがらせる。
「むろん、できぬことはない。ただ多大な魔力を必要とする。お前にその能力があるかが心配なだけだ」
苦手分野をこなすには、使役主のより強い魔力が必須。そういうことのようだ。
「できないわけじゃないのだな。よかった」
ホッと安堵した顔で、エリオットはハンナに向き直る。
「約束するよ、ハンナ。俺はクロを手懐けて、ナパエイラでも咲く花を必ず君に届ける」
「はい、楽しみにしていますね」
「――キスも、諦める気はないけれど」
小さく漏れたエリオットの本音はハンナの耳には届かない。
「俺さまは闇の精霊だぞ。そういう、明るく楽しげな魔法は超絶苦手分野だ」
ハーディーラは胸の前で腕を組み、渋い顔をしてみせる。
「そうなのか? いつもあんなに偉そうなのに、できないことがあるのか」
エリオット的には素直な感想だったのだろうが、ハーディーラはカチンときた様子だ。むっと唇をとがらせる。
「むろん、できぬことはない。ただ多大な魔力を必要とする。お前にその能力があるかが心配なだけだ」
苦手分野をこなすには、使役主のより強い魔力が必須。そういうことのようだ。
「できないわけじゃないのだな。よかった」
ホッと安堵した顔で、エリオットはハンナに向き直る。
「約束するよ、ハンナ。俺はクロを手懐けて、ナパエイラでも咲く花を必ず君に届ける」
「はい、楽しみにしていますね」
「――キスも、諦める気はないけれど」
小さく漏れたエリオットの本音はハンナの耳には届かない。