呪い殺された地味令嬢が最愛妃になるまで~お仕えしていた不遇王子が知らぬ間にヤンデレ皇帝となって、私を花嫁にご所望です⁉~
五 虹色の花
五 虹色の花
嬉しい思い出も悲しい思い出も、彼とのすべてはこの場所が舞台だったのだ。
懐かしい景色のなかに、ハンナは見覚えのないものを見つける。
「あの花は? なんて綺麗なのかしら……」
庭一面に、見たことのない不思議で美しい花が咲いている。花びらが虹色に染まった、バラによく似た花だ。
「寒いところ、ナパエイラでも逞しく咲く花だよ」
エリオットの優しい声がそう説明する。
「クロと一緒に品種改良に取り組んだ。思ったより苦戦したけど、そのおかげでクロの力を理解し、使いこなせるようになったんだ」
今度は姿を消さずにとどまっていたハーディーラが「ちっ」と舌打ちする。
「俺さまは明るく、前向きな魔法は得意じゃないんだよ。花を枯らす魔法なら、誰にも負けないが」
ハーディーラは闇の精霊なので、暗く、おどろおどろしい魔法が得意分野のようだ。
「品種改良……では、もしかして――」
ハンナは目を見開き、咲き誇る花々を見つめる。
「君と約束した、花だよ」
嬉しい思い出も悲しい思い出も、彼とのすべてはこの場所が舞台だったのだ。
懐かしい景色のなかに、ハンナは見覚えのないものを見つける。
「あの花は? なんて綺麗なのかしら……」
庭一面に、見たことのない不思議で美しい花が咲いている。花びらが虹色に染まった、バラによく似た花だ。
「寒いところ、ナパエイラでも逞しく咲く花だよ」
エリオットの優しい声がそう説明する。
「クロと一緒に品種改良に取り組んだ。思ったより苦戦したけど、そのおかげでクロの力を理解し、使いこなせるようになったんだ」
今度は姿を消さずにとどまっていたハーディーラが「ちっ」と舌打ちする。
「俺さまは明るく、前向きな魔法は得意じゃないんだよ。花を枯らす魔法なら、誰にも負けないが」
ハーディーラは闇の精霊なので、暗く、おどろおどろしい魔法が得意分野のようだ。
「品種改良……では、もしかして――」
ハンナは目を見開き、咲き誇る花々を見つめる。
「君と約束した、花だよ」