呪い殺された地味令嬢が最愛妃になるまで~お仕えしていた不遇王子が知らぬ間にヤンデレ皇帝となって、私を花嫁にご所望です⁉~
六 夫妻の日常
 六 夫妻の日常
 
 幸せな日々は過ぎ去るのが早いもの。ハンナがオスワルトの王妃となって、そろそろ半年になろうとしている。

 山積みになっていた書類の、最後の一枚に印を押し終えてハンナはふぅと息をついた。

 う~んと伸びをしながら、窓の外に目を向ける。柔らかな陽光を浴びて、色とりどりの花々が美しさを競い合っていた。

(春の国、オスワルト。私はやっぱりこの国が好きだわ)

 エリオットの治世下で、この国はますます明るく、豊かな国になった。

(微力ですけど、私もできることをがんばらなくては)

 ハンナは立ちあがり執務室を出ると、ある人物を捜して王宮の中庭に出た。

「あ、見つけたわ」

 捜していたのは、夫となったエリオットではない。

「ダグラス大臣」
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