甘さなんかいらない




「可愛い」


「天使」


「みんなの妹」


「守りたくなる」


「天然」




みんながあたしのことを可愛いと言って、みんながあたしに夢中だった。

みんなあたしの計算され尽くした“カワイイ”に騙されて、あたしに近づいた。



可愛いは正義、可愛くなきゃ意味がない、可愛いあたしが世界一価値がある、とそう思っていたのに。



中学、高校とそれを揺るがすような失恋がぽつり、ふたつ。



それでもまだあたしの世界は可愛いで埋まっていたのに、大学生になってから、あたしの可愛い世界はいとも簡単に崩壊した。





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