甘さなんかいらない



……「君だ!」とピーンときた理想の王子様には振られちゃったし、ライバルの女の子に嫌な言葉を投げたりもした──その子は笑って許してくれたけど、今思えばライバルを蹴落とそうとするあたしに彼が振り向くなんて都合の良いことあるはずなかったんだ。



あたしはただの悪役、可愛いだけが取り柄の悪女ポジ。



それでも振られてしまって傷心気味だったあたしを慰めて心配してくれる男の子は何人もいたし、

だからあたしの“カワイイ価値”は落ちていないと信じていた。



だからね、大学生のあたしだってまだまだカワイイを武器にして振り回して、“理想の王子様”探しを継続する予定だったの。



< 13 / 25 >

この作品をシェア

pagetop