甘さなんかいらない【SS更新中】



──あたしはずっと、見てるよ。


再会してしまったあの日から、ずっと見てる。いやもしかしたら、あの日、教壇に立って代表として話していたあの日から、かもしれない。



書くのをやめて、小声であたしにだけ聞こえるように届けられたいつぶりかの君の声。


一瞬耳元に寄せられたせいで当たった黒髪にくすぐったさが残り、耳元から顔ぜんぶに熱が集中してあの日のように真っ赤に染まっていく。



目が合った君は、目を細めてあたしだけを視界に取り込んでいる。前髪から覗く熱っぽい視線に完全に落ちてしまいそうだ。



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