甘さなんかいらない




柚果(ゆずか)、昨日佐原先輩と会ったんでしょ?どうだった?上手かった?」


「うまかった……? うん、ご飯、美味しかったよ」


「違うよ、ご飯じゃなくて!えっちの話!ど?気持ちよかった?私もしたいんだよね、佐原先輩。あ、付き合うことになったらもちろん手はださないよ!」




……!?日常会話で出てくるもんなの?と、慄いた。平然と当たり前かのように口にした上辺関係のギャルたちに、あたしはまさに小動物さながら、目をぱちくりさせることしかできなかった。



全然ついていけなかったし、そういうことをする前提なのも意味がわからなかったし、「私もしたい」なんて好きでもなく付き合ってもない人に対して思えるその感覚が理解できなかった。



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