甘さなんかいらない
大学の学校祭。大部分の学生には関係のない他人事のようなイベントだ。
何か組織に所属しているわけでもないあたしには去年も今年も全く縁がなく関係のないイベントだと思っていたのに、今年は大学まで足を運んでしまった。
いまだに確かめられていない、瑛くんから投げられたままの言葉のせいだ。
捻くれているあたしはその辺に出店している有志の屋台ではなく自販機で甘いカフェオレを買った。
学内でこの中庭にしかないスティックシュガーにガムシロップを足したような甘いコーヒーだ。
普段よりも人の多い中庭。
いつもの特等席であるベンチはなんとか確保できて、ぼーっと空を眺めていた。
瑛くんと見た空と同じ水色が視界いっぱいに映る。