甘さなんかいらない【SS更新中】
高すぎない心地よい彼女の声は、あたしへ謝罪の文字を届けた。
嘘は何もないまっすぐな瞳があたしを映して、世界をあたしたちだけにする。
思いもよらない謝罪の六文字は、あたしの目をパチパチとさせるほかない。
ばっちりと、それでいてナチュラルに上向いたまつ毛から落ちる影を追いかけてからもう一度、チョコレートブラウンの双眸に視線を戻す。
「……えっと、なんで遥乃さんが謝る必要が……」
「私が柚果さんと田邊の空間を邪魔してしまったから。その気は全くないけれど、軽率だった。本当にごめんなさい」