甘さなんかいらない【SS更新中】
「……あたしはただの同級生で、そんなことは、」
「ううん。確かにね、私を見るときも田邊は優しい。けど、それは私以外の他の人にも同じ顔をする」
「これを伝えたかったの。柚果さんに」と、紡ぐ答えの見つからないあたしに柔らかく続ける。
微笑まれると、好きになってしまいそうだ。
チョコレート色のまつ毛と瞳に吸い込まれて、抜け出せなくなりそう。
隙なんてないのに、少しだけ危うい雰囲気を醸す、守りたくなるようなひと。……瑛くんも、そうなのかな。