甘さなんかいらない
.after #1 青春を手繰らせて
・
「瑛斗くん、お願いがあります」
「なんでしょう、柚果ちゃん」
とある日。いつも通りソファーにもたれる瑛くんの足の間に座りながら、横抱きにされたあたしは彼を見つめた。
優しく見下ろす深いダークブラウンはあたしのお願いを絶対に断らない自信がある。
「制服デートがしたいです」
「……ふーん?」