想いを伝える人 ~天命に導かれる旅~ 【新編集版】
しばらくして、鐘が鳴った。
西円堂の時の鐘だろうか?
腕時計の針は16時を指していた。
あと1時間……、
深呼吸をして心を落ち着けた。
心が無になるように邪念を払いのけた。
そして待った。
待ち続けた。
しかし、何も起こらなかった。
なんの啓示も得られなかった。
後ろ髪を引かれたが、退出時間が迫る中、これ以上とどまることはできなかった。
早足に南大門の所まで戻るしかなかった。
門の手前で振り返って聖霊院に向かってお辞儀をし、顔を上げて心を込めて「ありがとうございました」と礼を述べた。
そして、もう一度頭を下げてから背を向けた。
駅へ向かって歩いていると、どこかで鐘が鳴った。
すると声が聞こえたような気がした。
柿でも食って行きなさい、
髭を生やした正岡子規の横顔が目に浮かんだ。
西円堂の時の鐘だろうか?
腕時計の針は16時を指していた。
あと1時間……、
深呼吸をして心を落ち着けた。
心が無になるように邪念を払いのけた。
そして待った。
待ち続けた。
しかし、何も起こらなかった。
なんの啓示も得られなかった。
後ろ髪を引かれたが、退出時間が迫る中、これ以上とどまることはできなかった。
早足に南大門の所まで戻るしかなかった。
門の手前で振り返って聖霊院に向かってお辞儀をし、顔を上げて心を込めて「ありがとうございました」と礼を述べた。
そして、もう一度頭を下げてから背を向けた。
駅へ向かって歩いていると、どこかで鐘が鳴った。
すると声が聞こえたような気がした。
柿でも食って行きなさい、
髭を生やした正岡子規の横顔が目に浮かんだ。