想いを伝える人 ~天命に導かれる旅~ 【新編集版】
「じゃあ行ってくる」
玄関で妻と匠の頬にキスをし、バイバイと手を振り、バス停に向かった。
バスは空いていた。
ガラガラといっていいほど空いていた。
しかし、席には座らず、つり革を持って前を見つめ続けた。
フロントガラスに映る景色ではないものを見つめ続けた。
それは、自らの意志が引き寄せた未来設計図だった。人生を賭けて挑戦する使命だった。
吊革を強く握りしめて顎を引いてしっかりと目に焼き付けた。
目的地が近づいてきた。
ブレーキ音と共にバスが止まった。
バスを降りて、空を見上げると、雲一つない快晴だった。
「申請日和だ」
自分に言い聞かすように呟いた。
そして、大きく深呼吸をしてから法務局の建物の中に入った。
椅子に座って書類を確認した。
登記申請書、
登録免許税納付用台紙、
OCR用申請用紙、
定款、
払込証明書、
発起人の決定書、
就任承諾書、
印鑑証明書、
調査報告書、
財産引継書、
資本金額計上証明書、
印鑑届書。
大丈夫だ。すべて揃っている。
ほっとして目をつむると妻と匠の顔が浮かんだ。
さて、
自らを促すように声を発してから窓口に向かった。
玄関で妻と匠の頬にキスをし、バイバイと手を振り、バス停に向かった。
バスは空いていた。
ガラガラといっていいほど空いていた。
しかし、席には座らず、つり革を持って前を見つめ続けた。
フロントガラスに映る景色ではないものを見つめ続けた。
それは、自らの意志が引き寄せた未来設計図だった。人生を賭けて挑戦する使命だった。
吊革を強く握りしめて顎を引いてしっかりと目に焼き付けた。
目的地が近づいてきた。
ブレーキ音と共にバスが止まった。
バスを降りて、空を見上げると、雲一つない快晴だった。
「申請日和だ」
自分に言い聞かすように呟いた。
そして、大きく深呼吸をしてから法務局の建物の中に入った。
椅子に座って書類を確認した。
登記申請書、
登録免許税納付用台紙、
OCR用申請用紙、
定款、
払込証明書、
発起人の決定書、
就任承諾書、
印鑑証明書、
調査報告書、
財産引継書、
資本金額計上証明書、
印鑑届書。
大丈夫だ。すべて揃っている。
ほっとして目をつむると妻と匠の顔が浮かんだ。
さて、
自らを促すように声を発してから窓口に向かった。