想いを伝える人 ~天命に導かれる旅~ 【新編集版】
寒気がして目が覚めた。
寝袋に入らずに畳に直に寝ていたから当然だ。
窓の外は明るくなっていた。
突然、お腹が鳴った。
間髪容れずもう一度鳴った。
起きなければ、と思ったが、起き上がることはできなかった。
自分の体が畳の一部になったような感じで動かせないのだ。
背中の皮膚と畳が同化し始めているのかもしれないなどとどうでもいいことが頭に浮かんだが、どこからか漂ってきたいい匂いで現実に引き戻された。
味噌汁かな? と思う間もなく胃が反応した。
さっきより大きな音を立ててお腹が鳴った。
その瞬間、生きている自分を感じた。
すると少し力が入るようになったので、仰向けだった体を少しずつ横向きにして足を胸の方に近づけて体を丸くした。
畳に手をつき、膝を立ててゆっくりと体を起こすと、赤ちゃんがハイハイをするポーズになった。
すると、それが気になった。
このポーズをなんと言うんだっけ?
しかし何も浮かんでこなかった。
大脳皮質に期待するのは無理なようだったので、諦めて台所に向かって少しずつハイハイをした。
ガスコンロの下に辿り着くと、扉の取っ手を掴んでゆっくりと体を起こした。
その時、不意に記憶が蘇ってきた。
四つん這いだ。
そうだ間違いない、四つん這いだ。
そんなことも思い出せなかったなんて……、
思わず笑ってしまった。
その瞬間、またお腹が鳴った。
寝袋に入らずに畳に直に寝ていたから当然だ。
窓の外は明るくなっていた。
突然、お腹が鳴った。
間髪容れずもう一度鳴った。
起きなければ、と思ったが、起き上がることはできなかった。
自分の体が畳の一部になったような感じで動かせないのだ。
背中の皮膚と畳が同化し始めているのかもしれないなどとどうでもいいことが頭に浮かんだが、どこからか漂ってきたいい匂いで現実に引き戻された。
味噌汁かな? と思う間もなく胃が反応した。
さっきより大きな音を立ててお腹が鳴った。
その瞬間、生きている自分を感じた。
すると少し力が入るようになったので、仰向けだった体を少しずつ横向きにして足を胸の方に近づけて体を丸くした。
畳に手をつき、膝を立ててゆっくりと体を起こすと、赤ちゃんがハイハイをするポーズになった。
すると、それが気になった。
このポーズをなんと言うんだっけ?
しかし何も浮かんでこなかった。
大脳皮質に期待するのは無理なようだったので、諦めて台所に向かって少しずつハイハイをした。
ガスコンロの下に辿り着くと、扉の取っ手を掴んでゆっくりと体を起こした。
その時、不意に記憶が蘇ってきた。
四つん這いだ。
そうだ間違いない、四つん這いだ。
そんなことも思い出せなかったなんて……、
思わず笑ってしまった。
その瞬間、またお腹が鳴った。