想いを伝える人 ~天命に導かれる旅~ 【新編集版】
8
「じ……」
わたしは妻と目を合わせて驚いた。
今、もしかして、
固唾を呑む中、再び子供が口を開いた。
「じ……じ……」
しゃべった。
子供がしゃべった。
わたしと妻は目を丸くした。
今までは「アー」とか「ウー」とか「んぐんぐ」としか言わなかったのだ。
それ以外の言葉をしゃべるのはもっと先だと思っていた。
しかし、今日はそんなクーイングとはまったく違っていた。
でも、「じ……じ……」って、なんだ?
普通はママの「マ」か、パパの「パ」だろう?
「じ」ってなんだ?
結城恵が才高恵になり、わたしたちは、わたしの実家がある町に引っ越していた。
そして1年後、わたしたちの許に天使がやって来た。
天使の名前は、匠。
この名前にオヤジは大喜びした。
結婚式では表情を変えなかったオヤジが孫の顔を見るなり目尻が3センチ下がった。
名前を聞くなり口元が2センチ緩んだ。
「初孫は目に入れても痛くない」と言うが、まさかオヤジがそうなるとは思わなかったし、信じられなかった。
「じ……」
わたしは妻と目を合わせて驚いた。
今、もしかして、
固唾を呑む中、再び子供が口を開いた。
「じ……じ……」
しゃべった。
子供がしゃべった。
わたしと妻は目を丸くした。
今までは「アー」とか「ウー」とか「んぐんぐ」としか言わなかったのだ。
それ以外の言葉をしゃべるのはもっと先だと思っていた。
しかし、今日はそんなクーイングとはまったく違っていた。
でも、「じ……じ……」って、なんだ?
普通はママの「マ」か、パパの「パ」だろう?
「じ」ってなんだ?
結城恵が才高恵になり、わたしたちは、わたしの実家がある町に引っ越していた。
そして1年後、わたしたちの許に天使がやって来た。
天使の名前は、匠。
この名前にオヤジは大喜びした。
結婚式では表情を変えなかったオヤジが孫の顔を見るなり目尻が3センチ下がった。
名前を聞くなり口元が2センチ緩んだ。
「初孫は目に入れても痛くない」と言うが、まさかオヤジがそうなるとは思わなかったし、信じられなかった。