ポリスに恋した
病室のドアを開けると、顔色の悪い陽太がいた。

桜がこんな目にあっているのは、全部俺が不甲斐ないせいだ。

「陽太、ごめんな…」

「玲於は悪くない。俺があの時、家にいれば…」

「いや、俺がもっと早く駆けつけていれば…」

「もうやめて!」

悲痛な叫び声に、俺たちは固まる。

ふとベッドを見ると、桜が悲しそうな顔でこちらを見ていた。

「もう、やめて…。2人のせいじゃないから」

「桜…」

「私、あの時、玲於くんが来てくれて本当に安心したんだ。もう、二度と会えないかもって怖かった。この間も、玲於くんは私のことを助けてくれた。私、玲於くんにたくさん救われてるよ。…昔から、玲於くんはずっと私のヒーローなんだよ。いつもありがとう!」
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