ポリスに恋した
「私は陽太の妹だよ!高校生!」

「陽太の妹?それなら、俺も会ったことあるはず...」

「あ、私たち、お医者さんに呼ばれてるから話聞いてくるね!ゆっくりしててね」

玲於くんの顔を見ていると、泣き出してしまいそうになる。

必死に涙を堪え、病室を後にする。

「おい、桜...」

「お兄ちゃん、私ね?神様にお願いしたの。私のことを忘れても、玲於くんを助けてくださいって」

「っ!それって...」

「玲於くんが、今ここにいる。それだけで幸せだよね?お兄ちゃん!」

気持ちが溢れ、涙を堪えることができなくなった。

お兄ちゃんにしがみついて、くぐもった泣き声が漏れる。

お兄ちゃんの手が、私の頭を優しく撫でる。

その優しさに、私の目からまた、一筋の涙が零れ落ちたのだったー。
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