ポリスに恋した

颯サイド

桜と水島と一緒に、俺は病院へと向かう。

どうしてあいつは、桜のことを忘れてしまったのだろうか。

桜はこんなにも、おまえのことを思っているというのに...。

病室に入ろうとして、足を止める。

中から話し声が聞こえる。

誰か先客がいるらしい。

「玲於も明日で退院ね。職務復帰はまだ先だろうけど」

「そうだな。本当に橙子さんにはお世話になりました」

「なによ、改まって...。でも、元気になって本当に良かった」

「はは、ほんとに」
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