ポリスに恋した
突然の告白に、葉山さんはもちろん俺たちも驚く。

桜が、どこか覚悟しているような表情をしているように見えるのは気のせいだろうか。

「玲於は、配属された初っ端から全力投球だった。誰よりも正義感が強くて、困っている人の味方で...。警察学校に通っていた時期は本当に辛くて苦しくて、辞めてしまいたと思ったこともあったの。でも、玲於と一緒にここに配属されて、玲於が一生懸命にみんなのために動いているところを見て、自分が警察官を目指したきっかけを改めて思い出してさ。...ほんと玲於は、ずっと真っ直ぐで眩しいよ」

「橙子...」

「私じゃダメ?...この状況を利用するなんて、卑怯だって分かってる。でも、私こういうの初めてだからどうしても諦めたくなくて!」

泣きながら訴えているだろうその声は震えている。

ああ、その気持ち分かる。
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