ポリスに恋した
俺も、まだ桜のことを諦められていない。

好きって気持ちは、そう簡単に消えないんだよな...。

「ごめん、橙子...。俺、なぜか橙子の気持ちに応えてあげられないんだよ。何かが引っかかって」

なんだよ、こいつ。

記憶はなくても、頭の中には桜がいるってことだよな。

こんなの、俺の出る幕はないじゃん。

俺にもチャンスあるかなって、期待していたのに。

...仕方ない。ここは、桜の大好きな玲於くんのためにも、そして、何よりも愛しい桜のためにも、俺は引くことにするか。

「すみません、お見舞いに来ました」

急に扉を開いた俺に、一同が驚いている。
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