ポリスに恋した

玲於サイド

「葉山巡査、顔がニヤついてますけど」

「そ、そんなことない!」

「あっそ」

橙子に指摘されるくらいには、俺は腑抜けた表情をしていたのだろう。

まったく、仕事中に何をしているんだ俺は…。

「そりゃあニヤけるわよね〜。海といえば、きっと水着だもんね?」

「は、はあ!?変なこと言うなよ!別に俺は、楽しみになんてしてないし…」

何を動揺してるんだろう、俺は。

これでは、楽しみにしてたって白状してるようなものだろ。

「変なこと想像してたんだ?彼女、細くて可愛いし、あるものはあるんもんね〜」

橙子のやつ、俺を揶揄ってるな。

「うるさい。無駄口叩いてないで、仕事に集中しろよな…」

「うわ!責任転嫁も甚だしいわね…。」

とにかく、今は仕事に集中だ集中!

「あ、そうだ。この間の買い物の件、大丈夫?」

「ああ、大丈夫だよ。…でも、ほんとに俺でいいの?」

「いいって言ってるでしょ。玲於が選べば間違いない」

「…分かった」

誰かに渡すプレゼント選びに付き合って欲しいらしい。

それなら、自分で選ぶべきなのでは?と思うものの今度こそ怒られそうだから黙っておこうー。


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