ポリスに恋した

玲於サイド

桜とショッピングモールで会った時はびっくりした。

橙子の買い物に付き合って、誰かの誕生日プレゼント
を選んでいたのだ。

桜に逃げられても、何を言っていいのか分からず追いかけられなかった。

連絡するべきか迷ったが、結局できずじまいで。

土曜日が来てしまった。

待ち合わせ場所である駅に着き、スマホで時間を確認する。…約束の10分前か。

もう一度スマホに視線を落とそうとした瞬間、「玲於くんー!」と、あたりに大きな声が響き渡った。

周囲の人も、何事かとこちらを凝視している。

「お待たせ!」

「桜、もうちょっと静かに…っ!?」

注意しようとするも、それ以上の衝撃に言葉を失った。
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