ポリスに恋した
駆け寄ってきたのは天使かと本気で思った。

水色のワンピース、白のサンダル、クリア素材の可愛らしいバッグ。

極めつけは麦わら帽子。

俺は、麦わら帽子をこんなに可愛く被る子を知らない。

しかも、

「玲於くん、今日は私と勝負しよ!どっちがドキドキさせられるか」

と言ってくる始末。

すでに、負けましたと降参したい気分だ。

でも、そんなことは男のプライドにかけて言えない。

「いいよ?俺、負けないから」

なんて意地を張る。

対抗心を燃やして俺を見つめる瞳は、狙っているのかいないのか上目遣いだ。

こうなったら、なにがなんでも勝たなくては…。
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