ポリスに恋した

玲於サイド

あれから1ヶ月。

あの海での出来事は、俺を大きく成長させてくれた。

桜を喜ばせたかったのに、俺の方が得るものがあった。

桜のおかげで、警察官としても、1人の男としても成長できた気がする。

そして、俺の桜に対する気持ちも。

「あと少しで終わりだな…」

今日は夜勤だったから、少し眠気がする。

もう少しで交代の時間だ。

「よ、元気か?」

「お、陽太か。桜は?」

「なんだよ、桜なら家だ。…熱出してな」

「熱!?」

桜は体が丈夫な方で、あまり風邪を引いているところは見たことがなかった。

そんな桜が熱を出したなんて…。



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