ポリスに恋した

5.恐怖の留守番

頭が痛い。

体がだるくて、起き上がることができなかった。

お兄ちゃんが起こしに来て、私の様子がおかしいことに気づき体温計を渡してきた。

「今日は安静にだな」

お兄ちゃんの手には、38.9と表示されている体温計。

そんなに熱があるんだ…。

「悪いが、今日は俺も大学なんだ。1人で大丈夫か?」

「うん、大丈夫…」

それからしばらくして目を覚ますと、まだ9時過ぎ。

喉の渇きを感じ、キッチンへと向かう。

途中、何度かふらつきながらたどり着き、コップを手にする。

誰かの気配を感じ後ろを振り向くと、知らない男の人。

「きゃあああ!…ムグッ」

口を塞がれ、ナイフを向けられる。

あ…。

海での恐怖が、再び私を襲う。

「次大声出したら、切り刻むぞ」

頬に当てられたナイフで、痛みがはしる。
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