ポリスに恋した
「退院祝いに、これ」

「わぁ。可愛いクマさんだね!」

高校生にあげるには子供っぽいかなと思ったが、桜は昔からクマの人形が好きだったからこれに決めた。

これで少しでも、元気になってくれたらー。

「玲於くん、心配かけてごめんね…。でも、私はもう大丈夫だから!」

「…そうか?」

大丈夫、なんて。そんなわけないのに。

俺は桜に、気を遣わせてしまっているのか…。

これからの人生、ずっと傷を背負ったまま生きていくのかもしれない。

その時、いつも桜のそばにいるのは俺がいい。

…なんて、俺に言う資格があるのかは分からない。

それでも、俺が桜を支えていきたい。

改めて、心に固く誓ったのだった。
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