ポリスに恋した
そう言って、私に抱きついてくる朱莉。

その姿に、私は鼻の奥がツンとして涙が溢れそうになった。

ほんと、また朱莉とこうして一緒にいられて良かった。

世の中、ある日突然命を奪われることもある。

お別れも言えずに、家族や友達、大切な人と一生会えなくなってしまう人もいる。

そう考えると、私は辛い思いをしたけど幸せなんだって思える。

「ほんと、俺も良かったよ。桜がいないと静かすぎてBGMが欲しくなるからな」

「ほんとよね。颯くんなんて、桜と会えない間もぬけの殻だったよ…」

「おい!余計なこと言うなよ!」
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