死にたい僕と生きたい君との最初で最後の恋

いつもいつも、
僕の見る景色は変わらない。

高校2年生、青春真っ盛りの時期。
そんな貴重な時期を僕は毎日毎日決まり切ったルーティンをこなすためだけに生きている。

朝起きて、学校へ行って、適当に勉強して適当にクラスメイトと合わせた会話をして、
適当に親と会話して、ご飯を食べて風呂に入って、
適当な時間になったら眠る。

そんな、毎日毎日変わり映えのしない日々。

何かやりたい事もない。
好きな女の子もいない。
趣味といえば写真を撮る位だったけど、
それも最近はする気になれない。

何のために生きているのかも分からない。

これって僕だけなのだろうか。
それとも最近の若者なんてみんなこんなもんなのか?

ただひとつ言える事は、

僕は死にたい、
それだけだ。

別に不自由している訳じゃない。

適当な大きさの家で、自分の部屋があって、
お小遣いも貰えて、学校も行かせて貰えて、
ご飯も毎食きっちり手作りが用意されていて、
両親も過保護気味ではなく、かと言って放置という訳でもない。
親友と呼べる人間はいないけど、
クラスで浮かない程度に、
休日にたまに遊んだり連絡を取り合ったりする友達もいる。

不自由どころか、むしろ恵まれた環境だろう。

それもちゃんと分かってる。

だけど、
いつも空虚感?虚無感?
言いようのない感覚が胸から消えない。

いつも暗闇にいるみたいだ。

これからもずっと、
こんな思いを抱えて生きていかなきゃいけないのか。

自分の存在価値なんて分からない。

虚しい、
つまらない、

ただ、それだけ。


ならばいっそ、
自分で人生の幕を閉じたい。

そんな事ばかり考えながら、
今日も変わり映えのない1日が終わる、

はずだった。













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