死にたい僕と生きたい君との最初で最後の恋
⑤
望月の手を握ったまま、
僕達は踏み切りから離れた。
まだ心臓がドクドクと煩い。
「どうしたの?
せっかく一緒に死ぬチャンスだったのに」
僕の顔を覗き込みながらそう聞く望月からは何の悪意も感じない。
からかう感じなんて全くない。
……本当に、
本気で、
僕と一緒に死のうとしたのか?
こんな、
いてもいなくてもどうでもいい、
こんな僕と?
クラスでも人気の望月が?
「……どうして、
僕なんかと一緒に死ぬ、なんて言えるんだよ……?」
ポツリと溢れた言葉に、
望月はまたきょとんと不思議そうな顔をした後に、
やっぱり笑顔になって、言った。
「だって、
ひとりで死ぬなんて寂しいじゃん」
「え……?
それだけ?」
「そうだよ?」
「……はは、
あはは!」
望月の訳の分からない理由に、
もう僕は笑うしかなかった。
「のるよ、その賭け」
ひとしきり笑った後、
僕は自然とそう口にしていた。
そんな僕の言葉に望月は、
やっぱり笑った。
月明かりに照らされた望月の笑顔は、
綺麗なのに、
何だか消えてしまいそうに儚くて、
僕は彼女を真っ直ぐに見る事が出来なかった。
僕達は踏み切りから離れた。
まだ心臓がドクドクと煩い。
「どうしたの?
せっかく一緒に死ぬチャンスだったのに」
僕の顔を覗き込みながらそう聞く望月からは何の悪意も感じない。
からかう感じなんて全くない。
……本当に、
本気で、
僕と一緒に死のうとしたのか?
こんな、
いてもいなくてもどうでもいい、
こんな僕と?
クラスでも人気の望月が?
「……どうして、
僕なんかと一緒に死ぬ、なんて言えるんだよ……?」
ポツリと溢れた言葉に、
望月はまたきょとんと不思議そうな顔をした後に、
やっぱり笑顔になって、言った。
「だって、
ひとりで死ぬなんて寂しいじゃん」
「え……?
それだけ?」
「そうだよ?」
「……はは、
あはは!」
望月の訳の分からない理由に、
もう僕は笑うしかなかった。
「のるよ、その賭け」
ひとしきり笑った後、
僕は自然とそう口にしていた。
そんな僕の言葉に望月は、
やっぱり笑った。
月明かりに照らされた望月の笑顔は、
綺麗なのに、
何だか消えてしまいそうに儚くて、
僕は彼女を真っ直ぐに見る事が出来なかった。