Love Story〜結くんとマリィの物語〜
クリスマス当日。

待ち合わせ場所の駅に向かうと、マリィは既に来ていた。 

お洒落していて、ほんと可愛い。
思わず、見惚れていた。


今日は朝から雪が降っていて、薄く積もっている。

それなのにマリィは、マフラーも手袋もしてない。
もちろんコートは着ていたが、かじかんだ手に息を吹きかけていた。

「お待たせ!
ごめんね、待たせて!」

「あ!京谷さん!」
僕を見上げて、微笑んだマリィ。

鼻の頭が赤くなっている。

「茉凛ちゃん、寒くない?」

「寒いですね…
でも、雪が綺麗ですよ!」

「いやいや…そうじゃなくて!
マフラーは?
手袋もしてたほうがいいよ?」

そう言って僕は自分が巻いていたマフラーを取り、マリィに巻こうとする。

「あ!大丈夫です!
京谷さんこそ、風邪引きますよ!」

「でも、茉凛ちゃんの方が大事だよ!
せっかくのデートで、風邪を引かせたくない」

「私、首に巻くの苦手で…
手袋も、あまり好きじゃなくてその……
なので、大丈夫です!」

「そうなの?
……………じゃあ、とにかく中入ろ?」

僕は、冷たくなっているマリィの手を取った。

「冷たっ!(笑)」
笑って、そのまま手を握った。

「京谷さんの手は、温かいです(笑)」

「フフ…ずっと、ポケットに入れてたからね!」

そしてマリィの手を引いた。

「―――――京谷さん、何処か行きたい所ありますか?
色々、ピックアップ……」

「映画観に行こうよ!
今日の○○シネマ、クリスマス限定の映画が見放題でしょ?
茉凛ちゃんが見たがってた、本恋のクリスマス特別バージョンが放映されるし!」

「良いんですか?
京谷さんが行きたい所行きましょ?」

「僕は、茉凛ちゃんの喜ぶ顔が見たい……!」

僕の言葉に、マリィははにかんで笑う。


可愛い…可愛いなぁ〜

ヤバい、このまま抱き締めたい。


マリィの手を引きながら、僕はそんなことを考えていた。
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