Love Story〜結くんとマリィの物語〜
結くんは心配性
(ギャァァァーーーー!!
終わらないぃぃぃーーーー!!!)

注意:これは、茉凛の心の声。

茉凛は仕事が終わらなくて、心の中で叫んでいた。

茉凛が勤める会社はそんなに大きな会社ではないが、アットホームな職場。
そのため、日々社員みんなで助け合っている。

なので仕事が終わらない時は、他の社員達にも手伝ってもらい(もちろん、予定がある場合は時間になったら退勤)みんな一緒に退勤するという決まりがある。

「シロマリちゃん、終わった?」

茉凛の指導係で、茉凛の尊敬する先輩社員・ヤマハラが声をかけてきた。

茉凛は社員達に“シロマリちゃん”と呼ばれている。

「あ…えーと……
す、すみません!!
まだ、終わらなくて……」

「フフ…!
みんな〜!手伝える人はシロマリちゃん手伝うよ〜!」

クスクス笑い、ヤマハラが社員達に声をかけた。
すると社員達が「はーい!」と一斉に返事をした。

「すみません!!!
いつも、いつも……」

「大丈夫よ〜」
「気にすんなって!」
「ほら、早く済ませて帰ろ?」

今年の新人は茉凛のみで、明るくてほんわかした茉凛は、社員達に可愛がられている。
いつも一生懸命仕事に取り組む、茉凛。
なので社員達も“力になりたい”と思うらしい。

茉凛はこの会社に就職出来たことを、心の底から嬉しく思っていた。

みんなで手分けしてデータを打つ音が響く、社内。

そこに、茉凛のスマホのバイブが震えた。

「ん?シロマリちゃん、スマホ、電話じゃない?」

「え?あ…
大丈夫です!
仕事終わってから、かけ直します!」

「出ていいわよ?」

「あ…じゃあ…すみません…!」

茉凛はスマホを持って席を外し、休憩所に向かった。

電話の相手は、結翔だった。

「もしもし?結くん!
お疲れ様です!」

『お疲れ!
マリィ、今何してる?
特に何もないんだけど、声が聞きたくて…!』

「あ…/////
私も、声が聞けて幸せです!」
(これで、また仕事頑張れる!)

『フフ…!
マリィ、ご飯は食べた?
今からかな?』

「あ…それが…まだ、会社にいて、残業してます…」

『え!?そうなの?
だったら、戻らないと!』

「はい、ごめんなさい!
でも、声聞けて良かったです!
仕事頑張れそうです!」

『……ったく…(笑)
じゃあ、頑張ってね仕事!
…………あ!終わったら、連絡くれる?』

「はい!」
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