Love Story〜結くんとマリィの物語〜
「――――うーん…それって、迷惑か?」


“電話、彼氏でしょ?
何を話してたの?”

ヤマハラ達にそう聞かれ、電話の内容を話すと言われた言葉。

「え?
でも、彼はもう家でゆっくりしてるんですよ?
私なんかのために、また手を煩わすわけには……」

「つか、迷惑だったら“迎えに行く”なんて言わねぇよ?普通」
「シロマリちゃんから言ったんじゃねぇだろ?
彼氏が、言ってきたんだろ?」

「そうですが…」

「それよりも会いたいから、言ってきたんだろうし!」

「え?」

「俺なら…例え面倒でも、会えるなら迎えに行く!」

「そっか…」
(そうゆう考え方もあるんだ…!)

そんなふうに考えたことがなくて、茉凛は納得したようにご飯を口に入れた。


「―――――お疲れ様〜」
「お疲れ〜!」

「皆さん。遅くまで、本当にありがとうございました!」

食事が済み、ペコペコ頭を下げる茉凛。
それぞれ社員達は、自宅に帰っていく。

茉凛は、結翔との約束通りタクシーに乗り込んだ。

「○○(茉凛のアパートの住所)まで……
……………あ!いや、△△(結翔のマンションの住所)までお願いします!」

運転手にそう言って、茉凛は結翔にメッセージを送った。
【ゆいくん、お疲れ様です!
今、タクシー乗りました!
ご心配なく!】

すると、すぐに返信が来た。
【お疲れ!
わかった。
また帰り着いたら、連絡してね。
マリィの声、聞きたいから】

茉凛はメッセージを見て、フフ…と微笑んだ。

(声どころか、会いに行ってまーす!)

先程の男性社員の言っていたことを思い出し、おもいきって会いに行ってみようと思ったのだ。


結翔の住む、マンションに着く。
「ありがとうございました〜」

降りて、オートロックのボタンを押す。
しかし、ボタンを押す寸前でふと思った。

「てゆーか、こんな時間に突然訪問するってどうなの?」

それこそ“迷惑”なのではないだろうか……?

「ど、どうしよう…」

でもせっかく来た手前、このまま帰りたくない。

茉凛だって、会いたいと思っている。

「…………
あーもう!!いいや!
押しちゃえ!!」

そして茉凛は、勢いに任せボタンを押した。
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