Love Story〜結くんとマリィの物語〜
「「………」」

水族館を前に固まっている、結翔と茉凛。
人がかなり多く、チケット売場に行列が出来ているからだ。
しかも、チケット売場は外にある。

「多い…」
「ですね…
結くん、また今度にしません?」

「え?どうして?
楽しみにしてたでしょ?」

「でも、チケット買うだけでかなり待つし…
こんな炎天下の中で、結くんに負担かけたくないです」

「うーん…
茉凛が待つのが嫌なら今日は諦めるけど、僕のことを考えてるなら並ぼ?」

「……………
じゃあ…行きたいです……!」

「ん!並ぼ?」
「はい!」

最後尾に並ぶ。
「すみません。
日傘持ってくるべきでした…
水族館も映画館も室内なので、必要ないかと思って……」

「ううん、大丈夫だよ!
でも、確かに暑いよね……」

少しずつ、汗がにじんでくる。
茉凛は携帯扇風機を取り出し、結翔に風を送った。

「僕は大丈夫だから、マリィがあたって?
それに、顔が真っ赤だよ!?」

「あ…私、少ししか汗かけないのですぐに赤くなるんです…(笑)」

「あ、待ってて!
そこの自販機で水買ってくるから!」

辺りを見渡し、自動販売機を見つけた結翔。
茉凛の頭をポンポンと撫で、駆けていった。

「ほんと、優しい人…/////
素敵すぎる…!!」

見惚れていると………同じように並んでいる女性客達が、結翔を見ながら話をしているのが聞こえてきた。

「ねぇ!見て!」
「ん?」

「ほら、そこの自販機にいる人!」

「わ…/////めっちゃカッコいい!/////」
「モデルみたーい!」
「ヤバいね!」

「………」
(だよね!わかるよ〜!
さすが、人気者結くん!)
一人で、女性達に共感する。

そして結翔が、スポーツドリンクを持って戻ってくる。

「マリィ、大丈夫?」

「はい!」

「とりあえず、飲もうね」
栓を開け、渡してきた。

「ありがとうございます!」
一口飲み、結翔に渡した。

「マリィ、もう少し飲まないと!
熱中症になるよ?」

「でも、あんま飲むと苦しくて…」

「ダメだよ。
ほら!飲んで?」

茉凛は頷き、もう一口飲んだ。
結翔が「お利口さん!」と言って頭を撫でる。

茉凛は、暑さとはまた違う意味で顔を赤くするのだった。

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