Love Story〜結くんとマリィの物語〜
そんなことを、思い出していると……

不意に頬に手の感触がして、現実に戻された結翔。
茉凛が心配そうに見上げていた。

「結くん?」

「あ、ごめんね!
ボーッとしてた(笑)」

「疲れました?」

「ううん、大丈夫だよ!」

「だったらいいですが……
結くん。向こうの方に行ったら、カフェがあるみたいなので行きませんか?
なんか、魚を見ながらお茶が出来るみたいですし!」

「うん、行こう!」

二人は手を繋ぎ、カフェの方に向かった。


カフェも満席で、名前を書いて待つ。
待っている間、メニューボードがあり、二人はメニューを決めておくことした。

「色々あるね」
「ですね…!
迷いますね…(笑)」

「何で迷ってるの?」

「ケーキです。
チーズケーキとモンブランで、どっちにしようか決めかねてます(笑)」

「じゃあ、どっちもしよ?
で、シェアすればいいでしょ?」

「え?
い、良いんですか!?」

「フフ…もちろん!」

「ほんと、お優しい…!」

「そうかな?」

「はい!
だって、男の人ってシェアとか嫌いですよね?」

「うーん…そんなことないと思うけど……?」

「女の人はよくシェアとかするけど、少なくとも私の周りの男の人は嫌がってます(笑)
会社の先輩とか言ってました。
“俺は唐揚げ食いたくて頼んでんのに、一口くれって何!?”って。
唐揚げ一口っつったら、一個あげるしかねぇじゃん?
で、食べたくもねぇおかずを唐揚げのお返しって渡されても、食いたくねぇし!
なんかそれ、おかしくね?って……(笑)」

「そっか(笑)
まぁ、その彼の言うこともわからなくもない(笑)
うーん…そうだなぁー
僕も、マリィ以外の子に言われるのは嫌かも?
例えば同僚とか。
一緒の企画をしてて、一時期よくランチ一緒してたんだけど……
“私のハンバーグ一口あげるから、そのとんかつ一つちょうだい”って言われたことがあるんだけど、確かに嫌だったかな?(笑)
恋人でもない子だし“よくそんなこと言えるな(笑)”って思ってた。
例えばだけど、メニュー決めてる時に“こっちとこっち食べてみたいから、シェアしない?”って事前に相談されるなら良いかも?」

「なるほど!
さすが、結くんだ!」

そんな話をしていると、名前を呼ばれた。

< 24 / 40 >

この作品をシェア

pagetop