Love Story〜結くんとマリィの物語〜
結くんのヤキモチ
結翔は超絶イケメンで、更に賢く、物腰の柔らかい紳士。  

だが、決して誰にでも優しいわけではない。
そして、意外とクールである。


「―――――これ入力間違ってますよ?」

「え!?
あ、ごめんなさい!」

「あ…これは僕がしますので、こちらを纏めてもらえますか?」

「はい!すみません!」

「いえ、大丈夫ですよ。
じゃあ、こちらをよろしくお願いします」

「……/////」


その日の帰り。
「あ、あの!京谷さん!」

「お疲れ様です」

「今日は、ありがとうございます!
おかげで、残業にならずに済みました!」

「いえ」

「あの…良かったら、今からお食事でも行きません?
お礼したいし」

「………ごめんなさい、プライベートでは彼女以外の女性と食事には行きません。
そのお気持ちだけ、いただきますね。
では、お疲れ様でした」

淡々と言って、会社を出た結翔。
ふぅ~と息を吐いて、茉凜に電話をかける。

こんな風な誘いを受けた時は、無性に茉凜に会いたくなる結翔。

『はい!結くん、お疲れ様です!』

明るくて元気な茉凜の声に、一気に愛しさと力が湧いてくる。

「マリィ、今何処?
駅とかかな?」

『はい!電車を待ってます!』

「そっか!
特に用はないんだけど、声が聞きたくて」

『フフ…私も、結くんの声聞けて幸せです!』

「……/////」
(ほんと、可愛い//////)

『あれ?結くーん?聞こえてますか〜?』

「あ、ごめんね!聞こえてるよ!」

『良かった!
………あ、結くんもうすぐ電車来るので、一度切っていいですか?』

「うん、わかった!
またかけるよ!」

『はーい!』

通話を切り、クスクス笑う結翔。
そして、スマホ画面に出てきた茉凜の写真を見つめた。

以前茉凜が、DVDの映画を観ていた時にこっそり取った写真だ。

この時茉凜は一番好きな映画を観ていて、ラストシーンで感動し泣いていた。

その表情があまりにも綺麗で、思わず結翔が撮った写真なのだ。
(もちろん茉凜は、写真を撮られたことを知らない)


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