Love Story〜結くんとマリィの物語〜
そして茉凛が楽しく話をしている頃…………

結翔は自宅のベランダで煙草を吸っていた。
今日は熱帯夜で、ただ…立っているだけでも汗がにじむ。

煙草を灰皿に潰し、室内に戻った。
茉凛から連絡がないか、スマホを確認する。

まだ、連絡がないようだ。

「あーもう、てゆーか暑い…」
シャワーを浴びて、汗を流そう。
そう思い、風呂場に向かった。

スッキリして、リビングに戻ってきた結翔。
頭を拭きながら、ソファに座る。
背もたれにもたれかかり、ボーッとする。

不意に、テレビ台の上の雑誌に目が行く。
その雑誌を取った。

ソファに戻って、ペラペラとページをめくる。

結翔が見ているのは賃貸雑誌で、結翔は茉凛と同棲したいと考えていた。

そうすれば、マリィとずっと一緒にいれる。
当たり前のように迎えに行っても、マリィは嫌がらない。
毎日一緒にご飯食べたり、抱き締めて眠ることも出来る。

「…………でもなぁ…」

茉凛は“同棲について”あまりいい顔しないのだ。
前に一度“一緒に住もう”と話したことがある、結翔。

ちょうど茉凛の内定が決まって、お祝いをした時だ。

はっきり断られたわけではない。
でも曖昧な返事で“まだ、同棲は不安だから”と言われたのだ。

無理強いは出来ない。
そんなことをして、関係が悪くなっても嫌だ。

そう思い、それからは同棲の話をしないようにしている。

乱暴に雑誌を置き、天井を見上げため息をついた。


どうして……
こんなに、マリィのことが好きなんだろう。

あの笑顔を見るだけで、癒され元気が出る。
柔らかな身体も、甘い声も…マリィの全てが愛おしい。

日に日に好きになって、離れたくなくなる。


「……………ずっと一緒にいたいなぁ……」
ポツリと呟く。

そこに――――スマホが鳴り響いた。

バッとスマホに目をやる。
茉凛からのメッセージが入ってきた。

【ゆいくん、もうすぐ解散しそうです(⁠•⁠‿⁠•⁠)
遅くなってすみません(⁠>⁠▂⁠<⁠)⁠】

【わかった!
迎えに行くから、そこで待っててね!】
返信して、準備をしマンションを出た。


< 31 / 40 >

この作品をシェア

pagetop