Love Story〜結くんとマリィの物語〜
その頃茉凛は、結翔にメッセージを入れて、一人で居酒屋の前で待っていた。

そこにアキラが戻ってきた。
「あれ?茉凛ちゃん?」

「へ?
アキラさん!どうされました?」

「居酒屋にスマホ忘れてさ!
取りに戻ってきた(笑)」

「フフ…そうなんですね(笑)」

そしてスマホを取りに戻り、茉凛の所に戻ってきた。
「彼氏が迎えに来るんだよね?」

「はい」

「じゃあ、彼氏が来るまで一緒にいてい?」

「あ、はい」

「煙草吸ってい?」

「はい、どうぞ?」

煙草を取り出し、火をつけるアキラ。
吸って、茉凛にかからないように煙を吐いた。

「………」

「………ん?」
茉凛がジッと見つめていたので、首を傾げるアキラ。

「あ、すみません!
煙草を吸ってる男の人って、カッコいいなって!
フフ…彼も、とってもカッコいいんですよ!」

「そっか(笑)
フッ…ほんと、好きなんだね?(笑)彼氏のこと。
飲んでる時も、嬉しそうに彼氏のこと話してたし」  

「はい!!」

「…………いいなぁ…茉凛ちゃんの彼氏。
そんな愛されて……」

「え……」

切なく笑うアキラを、茉凛も切なく見上げていた。

「あ、あの!
アキラさんって、先パ―――――」

「マリィ!!!」

そこに、結翔の声が響いた。

「あ!結くん!」
嬉しそうに笑う、茉凜。

結翔は以前イワタニがいた時のように、茉凜の腰を抱き寄せた。

その行為に、アキラが意味深に笑う。
「あ、大丈夫ですよ?
俺、好きな女いるし!」

「………」

「あ、あの!それって、先輩…とか?」

「………フフ…カナミには言わないでね?」

「は、はい!」

「あいつ、彼氏いるし」

「あ、お別れしたって言ってましたよ!」

「え?ほんと!?」

「はい!
今日、その話をしたから」

「そっか…!」

「あの!
頑張ってください!
アキラさんなら、きっと…先輩の子どもにはならないと思うので!!」

「は?子ども?(笑)」
「マリィ、何言ってるの?(笑)」

茉凜の言葉にアキラだけでなく、思わず結翔もクスクス笑う。

「あ…えーと…
まぁ…色々…」

「フフ…可愛いね、茉凜ちゃん」

「え?」

「………」

「………あ…えーと…俺、邪魔だし帰るね!
じゃあ、気をつけて!」

結翔の無言の圧に、アキラはクスクス笑いながら小さく手を振り去っていった。

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