Love Story〜結くんとマリィの物語〜
「………僕は、桔平に感謝してるよ」

何杯目かの酒を頼み、飲みながらポツリと言う結翔。

「え?」

「マリィに、出逢わせてくれたから……!」
そして、ふわりと笑う。

「なっ…/////
お前なぁー、なんだその、満面の爽やかな笑みは!!」

「フフ…」

「結果的に俺と茉凜は別れたが、別れなかったかもじゃん!」

「それでも!
毎週木曜は、僕にとって至福の時間だったから」

「至福って…(笑)
なんか、むかつく〜!!」 

「フフ…!
でも、ほんとに感謝してる!
結果論だろうけど……
今、本当に幸せなんだ……!」

「フッ…そっか!(笑)
――――――それとさ。
俺も、幸せになるから……!」

「ん?」

「結婚、するんだ!俺!」

「え?
そっか!
おめでとう!!」

「それで……
式に、来てほしいんだ!
ユイと茉凜に―――――――」


そして……
一ヶ月後。

結翔と茉凜は、結婚式場にいた。 

「桔平くんの奥さん、どんな人なんでしょうか?」
「うーん…僕も、会ったことないんだ(笑)」

「でもきっと、素敵な人なんでしょうね!」
「そうだね!」

受付に向かう。 

「本日は、おめでとうございます!」

“京谷 結翔”
“白織 茉凛”
と記帳する。

受付の女性達が、結翔に見惚れていた。

「マリィ、行こ?」
しかしそれを気にも止めず、茉凜の手を引き会場に入った。

会場に入ってからも、とにかく結翔は出席者達の視線を惹きつけていた。

「めっちゃカッコいい//////」
「ヤバくない!?//////」

そして茉凜はそれを、自分のことのように誇らしく思っている。

「結くん、カッコいいってですよ!
フフ…!」
席に座り、微笑み言ってきた茉凜。

「マリィが嬉しそうだね(笑)」

「フフ…だって!
“そんな人の彼女”で幸せなんですもん!」

「たまには、ヤキモチ妬いてほしいな!」

「え?
妬いてますよ!
香ばしいくらいに!」

「え?(笑)」
(香ばしいって……)

「だからこそ、幸せなんです!
ヤキモチ妬いてしまうくらいの、素敵な人に出逢えたことが!
それに、好きになってもらえたことも!」

「フフ…相変わらず、ポジティブだね!
可愛いな!」

結翔が微笑み頭を撫でると、茉凜は嬉しそうにはにかんだ。


< 35 / 40 >

この作品をシェア

pagetop