Love Story〜結くんとマリィの物語〜
「―――――お二人、素敵でしたね!」

余韻に浸りながら、うっとりとして言った茉凜。
今は、帰りの新幹線の中だ。

そして、ブーケが大事そうに抱かれている。


“次は茉凜とユイに、幸せになってもらいたい”


桔平のこの言葉を、マリィはどう受け取ったのだろう。

結婚……とか、考えてくれたのだろうか。

「………」
(そんなわけ、ないか…(笑)
同棲でさえ、まだ乗り気ではないんだ。
結婚なんて、考えもしてないだろうな……)

「結くん?」

「ん?」

「どうしました?」

「ううん。
良い結婚式だったね!」

「はい!」

「マリィ、幸せにならなきゃだね!」

結婚なんて贅沢は言わない。

“せめて同棲したい”
そんな気持ちを込めて、ブーケに触れ言った結翔。

茉凜は、どうゆう気持ちなのかわからないが「はい!幸せになりましょう!」と微笑んだ。



「――――ユリ、茉凜にプロポーズ出来た?」

後日。
桔平から連絡があり、また一緒に飲んでいる結翔。

「は?」

「は?って、は?
なんだよ、お前が悩んでたから“きっかけ”作ってやったんじゃんか!」

「…………え?“あの”ブーケ、そうゆう意味だったの!?」

「そうだよ!
久しぶりに飲んだ日、酔ってお前言ってたじゃん!」


『マリィと離れたくないんだ…
ねぇ、桔平〜
どうすればい?
同棲は曖昧だし、もう…いっそのことプロポーズもありかな?』


「―――――ってさ!
“だから”わざわざブーケトスのイベントを、ユリと茉凜のために変更したんじゃんか!」

「…………
そうならそうと、事前に教えててよ…」

「えー!!
そこまで知らねぇよ!(笑)
あとは、ユリと茉凜の問題だろ!」

「………」

「………」

「………」
肩を落としたように、ビールを一口飲む結翔。

「………お前、そんな好きなんだな(笑)
茉凜のこと!」

「うん、好き。
めちゃ好き。
好きすぎて、どうしていいかわからないくらい」

「フッ…
じゃあ…俺が探ってみようか?」
桔平は、しかたないという風に笑って言った。

「え?」

「茉凜に!
ユリと結婚する気あるのか」

「…………いや…いい…」

「じゃあ…どうすんの?」

「“自分で”プロポーズするから!
来月は、クリスマスだしね!」

「ん。
じゃあ…頑張れや!!」

結翔は何かを決意したように、大きく頷いた。


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