Love Story〜結くんとマリィの物語〜
お互いに、いつでも泊まれるように一通りの物は置いてある。

結翔が風呂場に向かい、茉凛は結翔のTシャツや下着、短パンを引き出しから取り出す。

タオルと一緒に、カゴにセットした。

すりガラス越しに「結くーん、タオルとか置いときますね〜」と言うと、中から「ありがと〜」と聞こえてきた。

そして茉凛もラフなルームウェアに着替えて、ノートパソコンを取り出し、資料作成に取りかかった。

20分程して、結翔が出てくる。
ラグの上に座り、ノートパソコンに向かっている茉凛の後ろ姿を見て愛おしそうに微笑む。

コンビニで買ってきた梅昆布茶を出して、大きめのマグカップに入れる。
そして茉凛の邪魔にならないように、隣にあぐらをかいて、マグカップをテーブルに置いた。

「マリィ、梅昆布茶入れたよ。
飲んで?
酔い覚ましにいいよ!」

「ん?
わぁ~、ありがとうございます!」
嬉しそうに笑い、一口飲んだ。

結翔も一緒に梅昆布茶を飲みながら、隣でヒマパズを始めた。
時々茉凛を見つめながら、幸せを噛みしめていた。

「………」

「………」

茉凛のキーボードを打つ音しかない、静かな室内。
とても穏やかで、心地良い空間だ。

こうやって、一緒の空間にいれるだけでも幸せだ。

(………よし!クリア!)
ふと茉凛を見ると、結翔を見つめていた。

「ん?マリィ?」

「あ、ごめんなさい!」
バッとノートパソコンに目を向ける、茉凛。

「ん?なぁに?」
結翔は、顔を覗き込んだ。

「な、ななな何もないですよ?///////」

「気になるよ」

「いや、ほんとに何も……
ただ、カッコいいなって見てましたです…/////」

「フフ…ありがと!
ところで、まだ終わらない?」

「あ…もうすぐです!ごめんなさい…」

「ん。
じゃあ…煙草吸ってくる」

「あ、はい!ごゆっくり!」

ベランダに出ていく結翔を目で追い、ノートパソコンに目を向けた。

「―――――――…………
よし!出来…た!!
後は、メールで送っ…て…よし!」

片付けて、結翔を呼ぼうとベランダに向かう。

空を見上げながら煙草を吸っている結翔に、またもや見惚れる。
「……/////」

茉凛の視線に気づいた結翔が、振り返り「終わった?」と聞いてきた。

そして煙草を灰皿に潰した。
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