Love Story〜結くんとマリィの物語〜
「――――結くん、ごめんなさい!」

エンディングが終わり、結翔を蔑ろにしていたことに気づく。
慌てたように、頭を下げ謝罪する。

しかし、これはいつものことだ。

茉凛は映画を見始めると、何も見えなくなるのだ。

「いいよ。
僕もわかってて、映画観るって言ったんだし」

「ほんと、お優しい…//////」

「そう?(笑)」

「はい。
キッペ……あ!えーと……大抵、嫌がられてたので……」

元彼の話なんか、聞きたくないだろう。
そう思い、口をつぐむ。

「うーん…
まぁ僕も、寂しいなとは思うよ?
こっち見てくんないかな?って」

「ですよね…」

「でも、真剣に見入っているマリィ見るのも好きなんだよね(笑)僕」

「え?」

「僕は、マリィの“物事に一生懸命取り組むところが好きだから”」

「そ、そうですか?/////」
(嬉しいな…!)

「うん。
最初から、マリィは何事にも一生懸命だったもんね!」


それから風呂に入ろうということになり、一緒に風呂場に向かった。

泊まりの時は、大抵一緒に入浴している二人。

でも、まだ茉凛は恥ずかしさが抜けない。

湯船内でも、結翔に後ろから包み込まれている状態で顔を赤らめて固まっていた。

「ねぇ、マリィ」

「あ、はい」

「今はテレビ見てるわけじゃないから、こっち見てよ」

「あ…//////はい////」
後ろを振り向く。

「フフ…!やっと、目ぇ合った!」
嬉しそうに笑う結翔に、茉凛も微笑んだ。

髪の毛を結翔に乾かしてもらい、結翔に抱き締められて眠りにつく。

「マリィ、もうちょいこっち!
落ちるよ!」

「大丈夫ですよ!」

「ダーメ!
もっとくっついて?」

「暑くないですか?」

「クーラー入ってるから大丈夫!」

「ごめんなさい。
ベッドが狭いから…」

「ううん!
マリィとくっついていられるから、幸せ!
ほら、寝よ?
おやすみ!」

「おやすみなさい……!」

ゆっくり頭を撫でられ、茉凛は静かに目を瞑った。
しばらく撫でていると、茉凛の寝息聞こえてきた。


腕の中で、幸せそうに眠る愛しい彼女。
そんな姿を見ていると、僕も幸せな気持ちになる。


結翔は茉凛の口唇にキスを落とし、包み込むように抱き締めて自身も眠りについた。
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