幼馴染みは御曹司+上司様
ある日。

「……っ!!」

公園の奥。
人目につきにくい場所にわたしは無理やり腕を引っ張られ、連れていかれた……。

男の子三人組に囲まれてわたしはなじられていた……。

日頃からその男の子達は何かしらわたしにちょっかいをかけてきたり、悪口を言ってきたり……と、意地悪を良くしてくるのだけど、その(たび)に恭くんが助けてくれた。

その男の子達にとってはそれが気に入らない、らしくて……。

恭くんが病気だと言うことをどこからか聞きつけて、日頃の鬱憤(うっぷん)をはらそうと……いつも以上にわたしに酷い仕打ちをしてきたのだった……。

しかも、念の為他の子ども達や親達にバレないように……。
それと、もしも恭くんが駆けつけてきても分かりにくいように……と、いう念の入れよう……。

公園の裏につくなり、わたしはおもいっきり突き飛ばされ、地面へと倒れ込んだ……。

「コケてやんの! ダサっ。やーい、のろま!」

「1人じゃなーんもできないくせに!!」

「どんなに泣いてもアイツは来ねぇーからな! 覚悟しとけよ!!」

「カッコつけやがって、ムカつくんだよ!!」

「このままずっと病気ならいいのに……。ちょっと強いからって、いい気になりやがって!!」

すぐさま、頭の上から罵声が浴びせられた……。
それは恭くんの悪口やわたしへのからかい……。

わたしだけなら、まだいい……。
我慢する……。

でも……恭くんはいつも泣いて、困ってるわたしを助けてくれるだけ。
それはわたしだけじゃなくて、他の子もそうであったら助けにいくもん……。
恭くんはとっても優しいからそういう子をほっとけないだけで、カッコつけてるわけじゃないもん……。

恭くんの悪口は言ってほしくなくって……わたしはその子達を睨みつけた。

「なんだよ、その()はっ!」

「文句があるなら、ハッキリと言えよっ!!」

「やり返してみろよっ!!」

1人の男の子が靴のつま先で勢いよく蹴った土を蹴り上げた。

その瞬間……。
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