わたしの話、聞いて下さい





 俺は2人に挟まれる形で
廃墟の前に差し掛かった時


 何かがゆらゆら揺れているのが
目についた。


「あれー…。」


 と言葉にする前に、それが
何かわかった。


 女の人だ。


 倉庫のようになっている所に
女の人が居た。

 それを認識した瞬間


 俺は2人を置いて一目散に走った。


『ちょっ!!!!』


 後からすぐに2人も走り出し
そのまま坂道のてっぺんまで走り続けた。



 息を切らす俺たち。


 そんなわけないよなと
自ら走り出したくせに


「何で走ったんだよ」



 なんて2人に聞いてみるとー…。








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