わたしの話、聞いて下さい
その帰り道は
昨日と打って変わって静かなもので
俺も別に騒ぐ気分でもなかったから
合わせるように淡々と自転車を走らせていた。
『お腹空いたからファミレス行こうぜ』
家の近くのファミレスに入った俺らは
各々注文をし、届くのを待っていた。
「ー・・・なぁ、昨日さ」
俺はそう言えばと、昨日湖に落ちかけた話を
しようとした時
なぜかみんなビクッとした。
『え?』
『いや、昨日どうしたんだよ?』
「や、夜中に目が覚めたら
湖ギリギリまで落ちててさ、俺そんな
寝相悪かったっけってなったんだよね」
俺がそう言うと他の3人も
『え、俺も!!』
と口々に言い出した。
まぁ傾斜だったからな。なんて
俺達が笑っていると
1人だけ急に青ざめた顔で
俺達に聞いてきた。
『おい、お前らそれだけかよ?』
『え?』
顔を見合わせる俺らに
そいつは震える声で続けたー・・・。