闇夜と夜明けの狭間で恋をする。
それから、案内された2人用の席に、向かい合う形で私たちは腰掛けた。
「お店の中、すごくおしゃれ……っ!」
「ね、私こういう雰囲気好き!」
私が何気なくつぶやくと、綾音も数回うなずきながら私の言葉に同調した。
全体的にはレトロな雰囲気。
天井は木材で組まれていて、丸い照明がぶらさがっている。
イメージカラーは茶色で、壁にはいくつか綺麗な写真たてがある。
こういうお店の匂い、私はとても好き。
はやる胸を落ち着かせるように、大きく息を吸い込むと、胸中に広がっていく匂い。
書物などの匂いと似ている。
もともと読書が好きだということもあって、すごく落ち着く。
「ねえ、何頼む?」
「んー、どうしよう」
テーブルの端に置いてあるメニュー表を、私たちはそれぞれ手に取った。
ページを一つめくると、そこにはおいしそうな料理たちが。
「わあ……っ!」
思わず感嘆の声をもらす。
そこに描かれているのは、朝食メニュー。
朝ご飯、まだ食べてないし、頼もうかな。
色々な料理が載っていて、全部おいしそうだったけれど、私はフレンチトーストとサラダのセットにすることにした。
「私、このフレンチトーストとサラダのセット、頼もうかな。
綾音は朝食メニュー、何か頼む?」
「えっ!
私もそれ頼もうと思ってた! 莉子と同じやつにするね」