闇夜と夜明けの狭間で恋をする。
*
『……それから、今日は浅野くんがシュートを決める、とてもかっこいい一面を見ることができた。
今日も浅野くんのギャップと可愛さが、とてつもなく尊かった〜!
こうやってノートを見返してみると、毎日毎日浅野くんのことを書いていて、私は相当浅野くんに溺れているんだな、なんて思っちゃう笑』
馬鹿みたいにノロケたような日記を記す。
これはルーティンみたいなもので、毎晩、寝る前に書いている。
昨日の日記にも、『浅野くんの笑顔が見れて嬉しかった』とか、その前の日にも『バックハグをしている浅野くんは可愛すぎた』とか。
そんなことばっかり頭に浮かんで、トントン拍子にそれを言葉にしてしまうのだから、ずいぶん重症だ。
これからもずっと、浅野くんは私の推しだよ。
きっとね。
ふ、と小さく息を吐く。
日記を書いていたノートをパタン、と閉じて、引き出しの中にしまう。
何となくカレンダーに目をやると、そこには大きく「9」の文字。
先週、夏休みが明けたから……、もう9月も中旬にさしかかろうとしているのか。
早いなぁ。
そしてそのまま、カレンダーの真横にある時計に視線を移す。
もうすぐ11時半になろうとしていた。
……そろそろ寝ようかな。
ふわぁ、と一つあくびする。
そして勢いよく椅子から立ち上がって、大きく伸びをした。