オレンジのヒーローは永遠の愛を誓う
 卒園式当日は雲一つない晴天――

 登園してくる子供達の笑顔が輝いている。

「ひまりせんせい、おはようございます!」
「おはよう」
「先生おはうございます」
「ご卒園おめでとうございます」

 子供達だけでなく、毎日顔を合わせて挨拶していた保護者とも今日が最後……

 別れの時は刻一刻と近づいている。

 卒園式は、園長先生の挨拶に卒園証書授与、感謝の言葉からの卒園の歌を歌う。

 保護者席からはすすり泣く声が聞こえてくる。私も感動で涙が溢れそうだ。

 誰一人欠けることなく、卒園式を終えることができた。私の担任としての仕事も、子供達を見送って終わりを迎える。

 初めての年長クラスの担任で至らないこともあったはず。

 それでも、最後までやり遂げたのだ。きっと母も天国で見てくれている。

「それでは皆さん、さようなら」
「「「さようなら!」」」
「先生ありがとうございました」
「お世話になりました」

 保護者の皆さんからの花束に私の涙腺は崩壊した。

 火事で何もかも失ったけれど、生きていて本当に良かった。
 

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