オレンジのヒーローは永遠の愛を誓う
 熱い眼差しが真実だと訴えている。

「ひまりにとって、俺の存在は助けてくれる人かもしれないが、いつかは大切な人だと思わせるから覚悟して」

 真剣で自信に満ちた言葉の数々に、思わず頬を赤らめてしまった。男性に免疫のない私には刺激が強すぎる。

「俺の気持ちを伝えたし、今はこれで満足だ。他の部屋はあとで案内するし、部屋を片付けるといい」

 凛太郎さんはあっさりと部屋を出て行ってしまった。残された私は、しばらく驚きで呆然とする。

 ここ最近、身の回りで起こった衝撃の出来事に、私のキャパはオーバーしていた。冷静に判断ができなくなっている。

 ただ無心になって、クローゼットへ買ってきた服や下着を片付けた。

 少しだけベッドへ横になって休憩するつもりが、入院で落ちた体力と精神的疲労も伴って、一瞬にして深い眠りに落ちてしまう。

 新生活一日目は、そのまま目覚めることなく朝まで眠ってしまった――


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