オレンジのヒーローは永遠の愛を誓う
「先にシャワーどうぞ」
「あのっ、この部屋は一体……」
「ん? 何か問題でもあるか?」
「問題はないけど……豪華すぎない?」
「この部屋しか空いてかなかったから、嫌でも我慢してくれ」

 嫌なわけない。こんな豪華な部屋で腰が引けてるだけだ。

「本当にこんな豪華な部屋を使ってもいいの?」
「もちろんだ。すでにチェックインも済んでる。今からキャンセルはできないぞ。せっかくの初めての遠出なんだから楽しもう」

 そこまで言われて拒否する理由はない。

「じゃあ、お先に使わせてもらいます!」
「ああ」

 バスルームも広々としていて豪華だ。ゆっくり入りたいところだけど、凛太郎さんも濡れたまま待っている。

 べとべとする海水をさっと洗い流して、バスローブに身を包んだ。

 リビングへ戻ると、凛太郎さんは窓際に立ったままスマホを見てる。

「お先でした」
「ああ、早かったな」
「濡れた服ってどうしたらいいの?」
「クリーニングを頼んだから、ランドリーバックに入れてくれたらいい」
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