オレンジのヒーローは永遠の愛を誓う
 全員が保育室から出たことを確認して電気を消した。靴箱の前で待っている子供達をいつもの背の順に並ばせて、人数を確認していく。

「1、2、3、4、5……」

 全員が揃っていることを確認して、いよいよ出発だ。

「ペアで手を繋いでね。今日は、美里(みさと)先生が一緒に行ってくれます」
「わーい!」

 外出の時は、必ず担任の他に付き添いが一人以上必要だと決められている。今回は消防署まで近く、年長クラスということで美里先生と二人体制に決まった。

 美里先生は、普段は年少二クラスの補佐をしているベテラン先生で、私にとって第二の母のような存在だ。悩みや不安があると相談に乗ってくれて、的確なアドバイスをくれる。私が担任としてやっていけるのも、美里先生のお陰といっても過言ではない。

「じゃあみんな、美里先生に挨拶しようね! せーの」
「「「みさとせんせい、よろしくおねがいします!」」」
「みんな、交通ルールは守ってね」
「「「はーい」」」
「じゃあ、出発!」

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